01
助産師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
私の兄が障害を持って生まれたこともあり、その時の助産師さんとの関わりについて親から聞かせてもらったことが助産師を目指すきっかけになりました。
02
京都府立医科大学を選んだ理由について教えてください。
大学4年間で助産師の資格が取れる学校は少ないのですが、京都府立医科大学は看護師に加えて助産師の資格も目指せることを魅力に感じたので、この大学を選びました。
他の大学では大学4年で一旦看護師の資格を取得して、その後大学院に2年通って助産師の資格を取得するという流れが主流になっています。
看護の授業も面白いと思うのですが、私は特に体の仕組や病態に関することを学べる授業も好きでした。そういった授業は、医師として勤務されておられる医学科の先生が講義してくださります。
助産師の実習は、看護師の実習全ての領域を終わらせた後の、4年生の5月下旬頃から11月中旬頃までです。学生が受け持たせていただく事例は10例程度と決まっていて、そのすべてが印象に残っています。
実際に自分がお産を担当して、入院期間も妊産褥婦さんの様子をずっと見させていただきます。やっぱり学生として、力になれているか正直不安なところがあるのですが、出産されたお母さんやご家族に、良かったですとか、お礼を言っていただくこともあり、ご家族が幸せそうに退院される様子を見ると、本当に関わらせてもらえてよかったと心から思いました。
05
産婦さんやそのご家族との直接的な関わりも多かったのですか?
そうですね。やっぱり陣痛はすごく痛いので、その時に、ご主人と自分が一緒に関わらせていただいて、腰のマッサージをさせてもらったりもしました。産婦さんとの関わりもありますし、立ち会いのご主人のお話を聞くことや、「ここを押すと、産婦さんも楽になりますよ。」というアドバイスをすることも多かったです。
妊娠期間も含めて見させてもらう事例も一例見させていただいたのですが、その方はご自宅で出産される予定の方だったので、そういった環境で出産される場面に妊娠期間から関わらせていただけたというのは、凄く貴重で良い経験になりました。
06
京都府立医科大学に入学して良かったことを教えてください。
隣に附属病院という大きな病院があるので、現役の看護師さんや医師の先生方など、現場の生の声を授業で聞かせていただく機会が多いというのはすごく魅力だと思います。実習も、附属病院に行くことができますし、私の場合、助産師の実習は他の病院でさせていただいたのですが、助産師コースの中には附属病院へ行っていた友達もいました。
附属病院自体が高度な医療を提供している病院なので、そこで働いておられる方からのお話を聞けるのはこの大学の良さだと思います。
あとは、大学院で助産師を目指す場合、助産課程の人数がかなり限られていて、途中でしんどさを感じることもあるかと思うのですが、この学校には今助産師コースの受講者が1学年で8人いるので、みんなで助け合い、励まし合っています。そういった点でも京都府立医科大学に入学して良かったです。
最初の数カ月は、コロナの影響もあり、寂しいと思うことよくありました。1年生の間は授業もほとんどオンラインでしたし、最初はなかなか友達を作ることも難しかったです。でもやっぱり一人暮らしは自由度が高いので、部活ができるようになったり、学校に行くことが増えてからは、部活終わりにパッと友達とご飯に行けたりするのは、楽しいです。
京都は個人的には凄く暮らしやすいと感じています。地元の島根は結構自然豊かなので、そういったものがないと寂しいなとは思っていたんですけど、鴨川を歩けば心が満たされるし、その一方で四条河原町周辺に行けば便利に何でも揃えられるので、この4年間で京都がすごく好きになりました。
勉強や実習など、助産師になるには大変な面もすごくあると感じているのですが、幸せそうなお母さんや赤ちゃん、ご家族を見たときの嬉しさや、その方々と関わったあとの達成感は、実習を通してすごく感じたので、妊娠期や分娩期から育児にかけての、母子とご家族をしっかり支えられる助産師になりたいなと強く思っています。
助産師コースの8人の中でも、興味がある分野がそれぞれ分かれていて、私は特に先天性の遺伝子疾患を抱えた赤ちゃんや、そのご家族の支援に興味を持っています。先天性の遺伝疾患を抱えた赤ちゃんのご家族には、不安や辛さというのがもちろんあって、そういう部分の支援ができるようになりたいと思っています。
勉強や実習など、大変な面はあると思いますが、実際に患者さんや、お母さんや赤ちゃんと接する中で、嬉しい場面ややりがいを感じる場面がたくさんあります。それが見つかれば、看護師や助産師としてのモチベーションに繋がると思うので、ぜひ頑張ってください。